風紀委員Girls! 627
「そう、それ以来お母さんはお父さん一筋。最初は相手を納得させるのも大変だったみたいだけどね」
「へぇ…」
真里菜は話を聞き終え、ベッドにバタンと寝転がる。
「それにしても、桜咲のミスコンって…お母さんってそんなにすごかったんだね」
「どうしてなのかわからないみたいだけどね、未だに」
「未だに?」
「お母さんが桜咲にいたとき、断然の人気を誇っていた人がいるの。青山響子…静香さんのお母様」
「あの国会議員の?…」
テレビ出演も多い青山響子のことは、政治に疎い真里菜だって知っていた。
「そう…青海や桜咲の創始者の娘…、グランプリに輝くのは誰もが彼女だと思っていたそうよ…」
「それなのにお母さんが選ばれたんだ…」
「まあ容姿はどうであれ、青山響子さんへの反感もあってのことだったんじゃないかと私は思うは…」
「響子さんはそのとき、どう思ったんだろうね」
「さあ…自分が選ばれなくて悔しかったか、別になんとも思わなかったか…」
恵里菜は真里菜の隣で寝転がる。
「あまり考えるべきじゃないんだけど、響子さんが、誰かにお母さんを襲わせるよう指示したとか…」
「それは私も考えたは…だけど今となっては、はっきりしたことはもう分からないのよね…」
それはそうか…ユリ姉ぇの歳を考えると、もう20年以上前の話しだもんな…
「それなら、お母さんを襲った男は…捕まったの?…」
桃子の時や今回のことも、ちゃんと犯人は少年院送りになっているもの…
「今回の件と同じだと思う。ただ、青山家が裏で根回しして処分を軽くしたって噂があるの…」
「それって…」
「桃子さんや真里菜たちのときには、そんな話聞いたことないでしょう?一番おかしいのはそこなの…」
…そうなると、お母さんを襲った奴は青山響子さんに近い人物ってことなの…?