風紀委員Girls! 622
「よかったぁです…涼もとてもいい子なんですよ…」
「そうね…今回のことでも、明日香よりも気落ちしちゃって、毎日ほとんど病院にいてくれているのよ…」
そうなんだ…
心配なんてする必要は無かったのね…
…そうなると、明日香よりも涼の心のケアが必要なのかな、と思ってしまう。
お見舞いに行って逆に励まされてしまうってのもなんだかなぁ…
「彩ちゃんは好きな人とかいないの?」
「私は、まだそんな…」
「ふふっ、そう?」
…私は明日香ほどじゃないし、つりあう相手なんて、と思ってしまう彩なのである。
もちろん普通の女の子と同じように、ファーストキスとか初体験とか…そういうことには彩だって興味はあった…
皆から回ってきた、青山ノブアキと滝谷旬のあの画像も、大切に保存はしていた…
だけどそれは彩にとってはどこか現実味の無い客観的な代物であって、男子のソコに対しては性的な興味は沸いてはこない…
それだけしか無かった…
いつか自分にもわかるときがくるのだろうか。
彩はそう思いながらスマホの画像をそっと閉じ、楓が用意してくれた紅茶に口をつける。
…一方、桜咲の生徒会室では。
「妹さん、今日退院でしたよねぇ?恵里菜さんは現職じゃないから、ここにいることはないのに…」
「うん…もうちょっとだけ…」
生徒会の雑務を手伝う元生徒会長・恵里菜に、現副会長・佳奈が尋ねる。
「何か調べものですか?…古い資料引っ張り出して…」
「ええ…静香さんに頼まれたの…これが終われば直ぐに病院に行くつもりよ…」
「手伝いますよ…これって10年近く前の資料ですよね…?」
「そう…青海との合同文化祭…ここに写っているのが、静香さんお目当ての彼だは…」