風紀委員Girls! 63
「偉いんだね…」
「ば、バカ!俺なんて偉くはね―よ!黒獅子の奴らは皆、似たり寄ったりの生活してるしな…」
「そ、そうなんだ…」
「だからよ…金に吊られて佐伯祐樹に寝返った奴ら…俺は攻めることは出来なかったさ…」
…そういうことだったのね……
『滝谷』というネームプレート(これもかなり年期が入っている)が貼られたドアを、旬が開けた。
「ばあちゃん、帰ったぞー」
「お〜…旬かぁ…」
部屋の中からしゃがれた、弱々しいようなおばあさんの声がした。
「おばあちゃん、おいくつになるの?」
「今年で80歳かな」
「おやおや…旬が女の子を連れてくるなんて始めてじゃないかぁ?…」
暖簾から顔を覗かせるおばあさんは、驚いた顔で舞を見た。
「初めまして。天野舞と申します。突然にお邪魔してごめんなさい。」
舞は前にいる旬の背中を退け、頭を下げた。
「まぁ〜可愛いお嬢さんだこと!さあさあ、こんな所だけど上がってちょうだいな。」
そう言っておばあさんはゆっくりと立ち上がる。
「おい、大丈夫か?」
旬が慌てておばあさんをフォローしようと駆け出す。
「何、せっかく旬が連れてきた客人じゃ、お茶の一つも出さんと失礼じゃろう」
「あ、いえ、無理なさらずに…」
舞も心配そうに言う。
「いて!…」
傷口に触れたのか、旬が小さく声を発した。
「やだよ…この子はまた虐められたのか?」
「おい!ばあちゃん!」
まあ、虐められたといえばそうとも言えるはね。
「旬は小さい時から虐められっ子でね…いつもパンツ脱がされて、泣いて帰ってきたんだよ…」
「うぁ!!おい!!ばあ〜ちゃん!!」