風紀委員Girls! 613
「ああ、そうだっけ?…こっちもいろいろ立て込んでて忙しいのよ、悪かったわね」
「そうなんですか」
なんだかいつも同じようなことを言ってるからにわかには信じがたいけど、これ以上深く追及したら負けだと純は悟る。
「あの人が今回の事件を解決に導いたみたいよ」
「マジですか?…全然そんな風には見えませんけど…」
「雑賀組の弁護士さん…見かけに寄らず腕の方も相当なもんみたいね…」
麻耶の目の色が変わるのを純は見逃さなかった…
「先輩、興味あるですね?…あの男に…」
「まあ個人的にというよりか、刑事としての勘かしら?…あんな爽やかそうな顔をしているけど、あの男にはきっと裏があるはね…」
鋭い眼光はいつものだらしがない麻耶とは大違いだ…純もそう思いながら小川の姿を見ていた。
事が終わったのか、スッと身を翻し立ち去っていく小川。
細身だが鍛えているであろうその背中は大きく見えた。
「はい、非番の人はもう帰ってよろしい」
「ちょっ!?」
ちあきが麻耶の視界を遮る。
それはちあきが意図したことなのかは分からなかったが、その間に小川航平は部屋から出て行った。
「それじゃあちあき様のお言葉に従って…、春日行くはよ!…」
「ぅえっ?!…僕も一緒にですかぉ?…」
純の話しなど聞いてはいない麻耶は、小川を追うようにして部屋から出て行く…
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ先輩ったら…」
「…まったく、あの2人はいつも通りなんだから。それにしてもいいコンビだよね」
あっという間に姿が遠くなる麻耶と純を見ながらちあきは呟く。
「まあ、小川さんが何者なのかは私も気になるところだけどさ」
ちあきは自分の仕事に戻るのだった…