風紀委員Girls! 612
どのくらい経ったのかは分からなかった…
朦朧とした意識の中で、一人の男が戦い…周りの男たちをバッタバッタと倒していた…
これは夢…?
そうとしか思えない…
だって見るからにインテリとしか見えない男がこんなにも強いだなんて、夢を見ているとしか思えなかったのだ…
真里菜の姿は隣にはなかった。
彼がやってきて、助けに来てくれたおかげで逃げ出せたならそれでいい。
妙な安心感が湧いたところで、意識が落ちた。
それからのことは、もう覚えていない。
「明日香さん…ごめんなさい」
舞が帰った後も、静香は1人そう思っていた…
それにしても、たった一人で自分たちを助けてくれた男のことが気になった。
確か“小川…”
雑賀組の顧問弁護士をやっている男だと後で聞いた…
静香にとっては顔も録に覚えてはいない男だが、興味を抱くのは当然だった…
…その顧問弁護人、小川航平は警察に協力して明日香たちを襲った男たちを引き渡す作業を行っていた。
「ありがとうございます。助かりました」
ちあきが彼に頭を下げる。
「いえ…彼らにはきついお灸をすえてくださいね」
それを遠目から眺める麻耶。
しばしその姿に見入ってしまった。
「誰です…あの男?…」
背後から声を掛けられ麻耶は慌てて視線を外す…
「なんだ春日か…アンタ非番じゃなかったの?…」
「それを言うなら先輩だってそうじゃないですか…先輩に連絡が着かなかったから、僕が一人で被害者の話しを聞いて来たんですよ…」