風紀委員Girls! 603
…自分が今、こんな状況じゃなかったら、目の前のこの爽やかそうな男を…なんて劣情が湧いてしまうのをグッと堪える。
そんなことをしたら涼を傷つけることにもつながりかねないからだ。
「以上です」
一通りのことは話した。
「私からも、春日さんに質問、いいですよね…」
「ぁ;…ああ;…」
やっぱりそうだよな;…出来ることなら忘れて欲しかったんだが…仕方ないか…
「約束だからな…何でも聞いてくれ…」
こういうのって、半ばやけくそって言うんだろね;
「それじゃあ聞きますけど…春日さんは彩未のことどう思っているんですか?…」
うぅおい;…そっちから攻めてくるのかよ;…
「そ、そうだな…可愛くて、魅力的な女の子だと思うよ」
「そうですかぁ」
明日香の笑顔がますます輝いて見える。
純はますます焦り、追い込まれているような感覚に陥る。
「タイプですか?」
「えっ、いや、そういうわけでは…」
視線を合わせづらい…
彩未ちゃんが自分を気に入ってくれているのは分かっていた…
このまま付き合うことになるんではないか…?、純の中でそういう予感も無くは無かった。
「…彩未は春日さんのこと…好きなんですよ…」
口調がきつくなった気がする…
それは自分が彩未ちゃんに対して、どこか罪悪感を抱いているせいでそう聞こえるのだろうか?…
「だから、彼女の思いに、春日さんなりの気持ちで、応えてほしいんです」
明日香の微笑みは変わらなかった。
ただ、その中に、少し寂しげ…いや、悲しげな部分が現れていた。
「…わかった」
純はそれだけしか言えなかった。
一瞬だけとはいえ、涼を明日香から奪ってしまった罪悪感も湧いた…