風紀委員Girls! 599
「そう、それなら良かったよ。桃子のときのことが蘇ってみんな心配で、大変だったよ」
「うん…私もそんなに大人数にヤられたわけじゃないし、真里菜と静香さんはほとんど何もされていないはず…」
「…え、ホントに?」
「ホントだよ」
驚く可憐。
「静香さんと会ったの?」
「ううん…舞と一緒に雑賀組の倉庫まで行ったのは美菜子と唯とアリシアそれと凜さん…私は静香さんも一緒だったって、連絡を受けただけだよ…」
「そう…静香さんは大丈夫かしら?…」
自分の方がよっぽど酷い目に合ったというに…
明日香の言葉に可憐は胸が詰まされる…
「大丈夫!静香さんは大丈夫だよ!…ちゃんとお家に帰ったって、舞から連絡入ったから!…」
可憐は思わず、健気な明日香の手を握り締めていた。
「そっか、さすが舞だね。静香さんに何もなくてよかった」
可憐の手を握り返し、明日香は安心したように柔らかな笑みを浮かべた。
その聖母のような微笑に、涼も可憐も堪えるものをもう我慢できなかった。
「ふふ…涼も、可憐も、そんな顔しないでよぉ…」
「だ、だって、明日香…」
「私は大丈夫だよ…今回のことで涼の気持ちが戻ってくれたことの方が…私は嬉しいんだよ…」
「やだぁ…またそれを言わないで…」
「おやおや…私はお邪魔かしら?…」
笑いながら明日香から手を離す可憐の手を、今度は涼が握りしめた…
「私がいけなかったの…私、男の人と浮気しちゃって…」
「浮気?…涼が?」
可憐がキョトンとしながら涼を見つめる。
「うん…明日香がいるのに、私…」
「まあ一度くらいで気を落とすことないよ…人間誰にだってそういう気持ちはあると思うよ」
可憐はそう言いながら、旬とヤったあの日のことを思い出してしまった。