風紀委員Girls! 594
「滝さんのお嬢さんは…どうなんです?」
つい聞いてみたくなる…
腹違いの妹がいることを、旬は知っているんだろうか?
「ああ家の娘も強いさ…何たって母親を亡くしからは、あの子が一人で家の中の切り盛りしているからね…」
旬のお母さんとの離婚の原因になった人って、もう亡くなられているのか…
「母親に似て綺麗な子になったよ。あんな可愛い子だから、すぐに男が出来てもおかしくないな…」
「娘さん、おいくつですか?」
「中3だな…歳の割にしっかりしてるよ」
そう言う滝さんの顔はいい笑顔だった。
やがて、視界に大きなお屋敷が見えてくる。
「ありがとうございました。是非上がっていってくださいね…」
静香さんが身を起こし、滝さんと舞に言う。
「そんな御礼だなんて…そもそもお嬢さんをこんな目に合わせたのは、うちの若いもんなんですぜ…」
「それは分かっています…それでもそこから救い出してくれたのは、その組の弁護士さん…それに滝さんだってこうして送ってくれたじゃないですか…」
「いや俺はここに上がれるような人間じゃないよ…お嬢ちゃんにだって申し訳ないし」
滝さんは舞の方を見る。
「私は…真里菜と明日香が心配だから、病院に行きたいなと…」
「それは、私も同じですが…」
静香もそれには同調する。
「その気持ちは分かるが、一旦は家に帰った方がいいな…まだ目覚めたばかりだから、君も付き合ってあげなさい…」
屋敷の門から少し離れた所に、車はゆっくりと停車する。
「はいそれはそうしますけど…滝さんは帰っちゃうんですか…?」
舞はもっと滝さんと話していたかった…
「こんな立派なお屋敷の前に長くは停めては要られないさ…、5分もすればパトカーが何台も来るだろうからな…」