風紀委員Girls! 593
「ええっ、わ、私…」
静香は混乱した様子で辺りをキョロキョロと見回す。
「これからお嬢ちゃんの家に向かうんだ…」
滝さんが言う。
「静香さん、今日は何されていました?」
「今日は…桃子さんのところに…」
「お一人でですか?」
「あっ!やだぁ、明日香さんと真里菜さんは!…」
静香はやっと全てを思い出したようだった。
「明日香と真里菜も助け出したよ…」
二人の状態を見ていただけに、“心配ない”とは言え無かった…
「ごめんなさい…私に舞さんみたいに力があったら…あんなことにはならなかったよね…」
そう言うってことは、静香さんは明日香と真里菜が乱暴されていた時にはまだ、意識を失ってはいなかったんだろうな…
「静香さん…静香さんが無事で良かった」
「私だけ、ですよ…お二人のことを思ったら、私が代わりに犠牲になれば良かったのに…」
「静香さんがそんなことされたら大問題ですよ…」
静香は滝さんにも話しかける。
「あの、ありがとうございます」
「いや私は現場には行っておらんよ…あんたさんを助け出したのは、小川っていううちの顧問弁護士だ…」
「弁護士さんが…?」
「弁護士だからといって、あの男を嘗めちゃいかん…それで泣きをみた連中はご満とおるでの…」
あの小川さんって…
見掛けによらずそんなに強いんだ…
「舞さん…」
「静香さん、私たちは負けちゃダメだよ」
「ええ…わかってます…」
静香は小さい声ながらも、はっきりと頷きそう言った。
「今の時代は女の子のほうが強いからな…」
滝さんは横目で2人を見ながら言う。