風紀委員Girls! 583
美菜子の肩が、フルフルと小刻みに震える。
幼い頃からずっと見てきた幼馴染の、こんなにも弱々しい姿を、舞ははじめて見たような気がした。
「(美菜は、ひときわ仲間の絆を意識する子だから…桃子のことを思って…)」
舞はそんな美菜子の姿を見て、呆然と立ち尽くす。
「さぁて…」
美菜子の手を握りながら、瑞穂さんが呟く。
「いつまでも逃げ回ってるろくでもない奴らを叱りに行くかねぇ」
「えっ?瑞穂さんは奴らの居場所をご存知なんですかぁ?」
「小川さんたちに聞いてから直ぐに、家のモンを向かわせたのよ…」
それで私たちが乗り込んだ時はもぬけの殻だった訳ね…
「それじゃあ彼らを匿うつもりなんですか?…」
「いいえそのつもりは全く無いは…ただ警察に引き渡す前に…ちゃんとお仕置きしないとね…」
そうきっぱりと言う瑞穂さん。
凛々しくて頼もしい…こんな人なら誰でもついて行くよね。
「瑞穂さんも一緒に行きます?」
「もちろん…私がケジメをつけないとね!」
瑞穂さんが立ちあがると何処から出てきたのか、男たちが集まってきた。
「行くよ、みんな」
厳つい顔をした男たちは、揃いも揃って黒い背広を着ている…
きっとこんな機会でも無いと、絶対にお近づきにはならない面々だろうけど…
「アンタら、新しく出来た学校のお嬢さんかい?…」
そんな中の男の一人が、舞に声を掛けてきた…
やさぐれてはいるが、きっと若い頃はイケメンだったに違いない…
「ぇ…はい。清美女子の生徒です…」
「そうかい…見慣れない制服だからなぁ…俺も随分歳をとった証拠だな…」
「あの、あなたは…」
見た目は厳ついが、人の良さそうな笑顔を見せるその男。
「可愛いなぁお嬢ちゃん、俺の娘もこれくらい可愛かったらなぁ…」
「いや、そんな…」