風紀委員Girls! 581
こちらは2人が危険な目にあっていないかと心配していたのに、なんだか拍子抜けみたいな格好である。
「あの、そちらは…」
「君らも清美の子なのかい?」
「は、はい…生徒会長の天野舞です…」
およそこの建物に似合わない美人…いったい何者なのかと後ろの凛とアリシアも疑問に感じる。
「私は雑賀瑞穂…光の母であり、この雑賀組を一応仕切っている、ことになるのかな…」
うわぁ!…それって極妻ってやつですかぁ!;…
確かに背筋がピンとしていて、かなりの威圧的なオーラを放っているけど;…
「あっ;…すみません;…突然にお邪魔してしまって…」
雑賀組を仕切る女頭と聞いて、突然腰が引けてしまう…
「いいのよぉそんなこと…家は男ばっかりでしょ…こんな可愛いお嬢さんたちに来て戴けると、それだけで空気が浄化されるようだはぁ…」
おぉ、なんとまたいい笑顔。
とても極道に身を置く方だとは思えない。
ただ、凛が言っていたように、この人ならば話をわかってくれる、そう舞は思った。
「今回のことは、完全にこちらの責任ね」
「えっ…」
「旦那を病気で亡くしてね、いずれこの組は解散するつもりだったの」
雑賀光も少年院に入っているんだし…それも仕方ないことなのかな…?
「解散って…それじゃあ今いる組の人たちは…?」
路頭に迷うってことなんだろか?
「私は出来れば堅気になって欲しいと思っているんだけど、それに反発する輩もいてしまって…今回のことは私の責任だはね…」
優しくも、どこか寂しそうな顔を見せる瑞穂さん。
それは、極道のトップというよりも面倒見のいい優しい母親のような気がしてならなかった。
「私もみんなに協力するよ。逃げてるうちの組の奴らの居所を何とか掴んで、罪を償わせることをしなきゃいけない」
「瑞穂さん…」
「それが頭の役目だよ」
ガチャ
「!?」
事務所のドアが開き、舞たちはそこに視線を集中させる。
「こ、ここにみんながいるなんて…」
姿を現したのは舞たちの学年主任、堀江奈々。
「奈々センセこそどうしてここを…?」
「い、いや、それはね…」
「奈々ちゃんも立派になったねぇ、私が知ってるのはいつもいじめられて泣いてばかりのちっちゃい頃の姿だったもんねぇ」