風紀委員Girls! 578
「あ!明日香!!」
抱き起こす彼女に意識は無かった。
横ですぐさまに脈を測る凜…
「気絶しているだけ…早く病院に連れて行った方がよさそうね…」
舞の叫びに裏口から駆け込んでくる涼とアリシア…
「えっ?…奴らは裏口から逃げた訳じゃないの?…」
「建物自体が広過ぎて、裏口も一つや二つじゃないのね」
「犯人たちを追うよりも、明日香が心配だったの」
凛とアリシアがそう言う。
ぐったりとした明日香の身体を支える舞のところに、涼が歩み寄る。
「涼…」
「許せない…明日香を…こんなに…」
「相手は雑賀組の連中って分かっているのですよね?‥」
アリシアが眉を顰めて舞の顔を覗き込む。
「それよりも唯と美菜子は戻って来た?…」
唯と美菜子までもをこんなめに合わせる訳にはいかない。
「行くよ…ここは涼に任せて、私たちは雑賀組に乗込むしかないね…」
腕組みした凛が顎で舞に合図する。
舞はゆっくりと立ち上がると行き場のない怒りに打ち震えているで有ろう涼の肩をそっと摩る。
「涼…ごめん、こんなことになって…」
「ううん…舞のせいじゃないよ…」
「大丈夫?」
「ありがとう…大丈夫だよ」
「明日香のこと、よろしくね」
「うん分かった…舞の方こそ雑賀組だなんて、大丈夫?…」
「心配しないで…いざとなったら摩耶さんに連絡するから…」
桃子の時のことを考えると、早く摩耶さんに助けを求めた方がいいかもしれない…
「分かった…摩耶さんには私から連絡入れとく…だから警察が来るまで無茶なことはしないで…」