風紀委員Girls! 575
「大丈夫だよ、私は…ちょっと殴られたりしただけで」
「そんな風には見えないよ!」
舞は真里菜の肩を支える。
「舞!」
「和葉、理穂…」
「美咲から聞いたよ…真里菜が…」
「2人は真里菜を病院まで…」
「私は大丈夫だから、明日香を…」
そう言うなり和葉と理穂の腕の中に崩れ落ちる真里菜…
その内股には、赤い鮮血が線を引いて流れた…
「ま、真里菜!…」
「大丈夫、気を失っただけ…真里菜のことは私たちに任せて…それよりも早く、あなたたちは明日香を助けに…!」
動揺する皆を前に、理穂が指示を飛ばす。
「行くぞ、舞」
凛はすぐに身を返して廃屋となった倉庫二歩を進める。
「う、うん…!」
真里菜のことは心配だ…でも、中にはまだ明日香が…
「明日香、無事でいてね…」
舞は凛とともに倉庫へと向かう。
中は真昼間だというのに薄暗く不気味だ。
物音もしない。
「本当にいるのかな…」
「私たちの匂いをかぎつけて、奴らだけ逃げたならそうかもしれないが…」
そうであって欲しいけど…相手はそういった意味においてはプロ…
雑賀光と根来泰輔の時みたい簡単にはいかないだろう…
「…やっぱり雑賀と根来の先輩って訳なの…?」
身構えながら舞は聞く…
「聞いたこと無い?雑賀組って…、雑賀光はそこの跡取り息子な訳よ…」
「あぁ…そういうこと…」
表向きには地元に根付いた土建屋だが、その中身は裏社会にも内通していると聞く。
雑賀が更生して戻ってきたとしても、その将来は…
「ま、そっちはそっちで警察が動く日が来ると思う…」
「うん…」
倉庫の奥に繋がる扉。
その前にはバリケードなのか、段ボール箱が山積みされている。