風紀委員Girls! 572
「それはいいことじゃ…この辺りの奴らは皆、桜咲と青海出身者じゃないと、人間として見下すところがあるからな…」
そう言われるとやっぱり、真奈菜のお母さんのことを思い出してしまう…
あの人は正しく、おばあちゃんの言うような人なんだろう…
「私も最近そう感じることがあります…いくら桜咲よりも清美の方が勉強が出来たとしても、この街の大人のたちは…どこかそんなことは認めない…所詮新参者みたいに見ているんだな…って…」
「最初はそういうことがあるかもしれん…だが、小さな努力を何年も積み重ねていくことで、周りの信頼や評判を得られるものと思ってる。舞ちゃんは、それができる子だと思ってるよ」
「おばあちゃん…ありがとうございます」
この言葉は何よりありがたかった。
真里菜や伊織が聞いたら、感動して泣いちゃうんじゃないかな…
旬だって黒獅子というだけで、散々後ろ指を指されては来たけれど、舞も苦労してんだな…
ばあちゃんの言葉に嬉しそうに頬を染める舞を見て、旬はそう思った。
そういえば…こんな思いを、黒獅子に行っていたというじいちゃんも…していたんだろか?…
ふと、旬の中でじいちゃんへの興味が沸いてきた。
「ばあちゃんがじいちゃんと恋仲になったのって、俺らぐらいの時なのか?…」
「そうだね、あの頃のおじいちゃんは、それはもう誰もが振り向くくらいの美男子でね、人気者だったよ」
「そんなに?」
「なかなか近づけなくてね、声をかけるだけでドキドキしたくらいだよ」
おばあちゃんだって、昔はかなりの美少女だったはずだよね…
そうじゃなかったらこうして結ばれるわけないもんね。
「それじゃあ、ばあちゃんから声を掛けたのか?…」
「それゃそうじゃよ…あの頃のあの人は、女の子なんかには興味無いってばかりに、硬派気取りだったからね…」
くすっ…それって旬と一緒じゃない…
「ばあちゃんも結構やるなぁ〜、そんな男を射止めなんてよ…」
“そんな男”って;…それは旬のおじいちゃんじゃないの;…