風紀委員Girls! 58
旬の後ろから姿を現す剛。
上背はないが、やはり端正で女子人気のありそうな顔立ちだ。
「やることが卑怯ね」
「賢いと言ってくれないかな?」
「青山ノブアキに黙ってどうしてこんなことを?」
「青山さん?あんな母親と妹にペコペコし過ぎの人に青海のトップなんて務まりっこないんだよ」
やはりノブアキはそういう存在なのか?…
「分かったは…滝谷旬を離してくれるんだったら、貴方が青海のトップになれる用、後押しもしてあげる…」
舞の後ろから、菜々美が声を上げる。
「ふっ…そうはいくかよ。アンタらの腕が立つのは充分に分かったからな…ここでコイツを離せば、意気なり飛び蹴りでもしてくんだろ?」
「じゃ、じゃあ…どうすればいいのよ…?」
眉間に皺を寄せ、菜摘は剛を睨んだ。
「…脱げよ」
「え?…」
「3人ともここで…"まっぱ"になれよ…」
「そ、そんなことできるわけが」
「じゃあこいつの命はないぞ?」
「…っ」
剛はニヤリと余裕のある笑みを浮かべた。
「脱いだらさすがに攻撃もしないだろ?安心しな。ほかに何かするわけじゃない。俺の言うことを聞いてくれれば解放して帰るさ」
「馬鹿言ってんじゃねー!…こいつらには関係ねーんだ!…俺を刺すなり引き裂くなりすりゃいいから、こいつらに手を出すんじゃねぇ!」
滝谷旬は懸命に鎖を揺すり、抵抗の意志を露にした。
「ふっ…白馬に載った王子様きどりかよ?」
「ぅ!…」
ナイフを宛てがった首筋から一筋の鮮血が滲み出し、それが旬の胸板から腹筋を通過し、唯一身につけたアンダーに赤く染みを作った…
「いやぁ!やめてぇ!」
舞の金切声が廃屋内に響く。
「これで分かったろ?俺は脅しで言ってる訳じゃない…早く脱がないなら、滝谷旬のパンツは真っ赤に染まるぜ…」
「…っ、が、ぐっ…」
やり場の無い怒りと悔しさに、声を詰まらせる舞。
「(舞…)」
「(こうなったら、もうやるしかないじゃない…)」
「(…だよね)」
舞の視線に菜々美と菜摘が頷く。
その手は、制服の胸元へ…