風紀委員Girls! 568
「おやおや…まあまあ…」
驚いた表情で後ろにのけ反るおばあちゃん…
舞は慌ててその背中を支えた。
「ばあちゃんそんな驚かないでよ…僕はばあちゃんに会いに来たんだからさ…」
照れているのか、笙は顔を赤らめている。
「笙…笙…そんな所に立ってないで、もっとちゃんと顔を見せておくれよ…」
「ばあちゃん…」
笙が顔、その姿をはっきりとおばあちゃんの前に現す。
中学生、まだあどけないところはあるが雰囲気は旬に似ていると舞は感じた。
「笙…まあ、こんなに大きくなって…」
おばあちゃんはとても感動した様子だった。
「俺も、会えてよかったよ…ばあちゃん、あの時と変わらず元気でさ」
「ああ、私にとってはそれだけが取り柄だからね…」
おばあちゃんは笙の手を両手で握りしめる…
「おやおやこんな冷たくなって…早く訪ねてこればよかったに…」
「あ、うん…さっきもドアの前まで来たんだけど…なんか取り込み中みたいだったんで…」
笙はそういうと、チラッと舞の顔を見てきた…
舞は思わず笙と視線を逸らす。
さっきの行為が聞かれていたとなると、気まず過ぎる。
「えっと…」
「天野舞。よろしく」
短く告げる。なんだか居づらくなってくるじゃないか…
「舞ちゃんは旬とねぇ、この世の春が来たんじゃないかい?」
おばあちゃんは幸せそうだ…
そういえば旬は笙くんを探しに行ったというのに…
「しゅ、ぁ;お兄ちゃんとは会わなかった?…」
「別に僕に気を使うことないですよ…兄貴のこと、“シュン”って呼んでるんですよね…」
やっぱり聞かれていたって訳かぁ;…
穴があったら入りたいって、こういうことを言うのね;…