風紀委員Girls! 565
良かった。
いつもどおりの関係に戻ることができた。
舞は旬の何気ない姿にすら感動していた。
「ほら、ばあちゃん帰ってくるから、舞も着替えて…」
「わかってるってぇ」
「…まあ、まだ帰らないよな?」
「うん、おばさんにも会っていきたいもの…」
「それじゃ、ちょっと出て来てもいいかな?…」
旬は弟の笙のことが気になっていた…
今さらもうこの辺りになどいないことは分かっていたが、それでもいても立っていられなかったのだ。
「分かった…夕方には帰るから、それまでには帰って来てよ…」
「そんなに時間はかからないさ」
玄関で靴の紐を結びながら旬は言う。
「さっきの彼?」
「ああ…間違いなく、ありゃ俺の弟だ」
確信を持って、旬は舞に告げた。
そして外に出て行った。
「…兄弟かあ」
舞は服を着なおしながら考えた。
一人っ子の自分には到底わからないことなのだろうかと…
それも両親の離婚によって引き裂かれた兄弟…
お母さん方に引き取られた弟とは、随分と会ってはいないと聞いていた…
旬が飛び出して行ったのも、当然なんだろな…
それは分かってはいても、舞はちょっと淋しかった。
もっと旬とベタベタしていたかったし、出来るもんならもう一回ヤリたかったのが本音だった…
…まあ、旬にとっては一大事なんだから、自分がしゃしゃり出てくるのはおかしいし、自分たちの関係を再確認できたから、今日はこれでいいだろう。
後は、旬のおばあちゃんが元気かどうか見れれば良いかな…
間もなくドアが開き、ゆっくりと顔を覗かせたのは
「おぉ、お久しぶりじゃね、元気しとったかい」
「あぁおばあちゃん、お邪魔してますぅ」