風紀委員Girls! 555
「旬?うーん…」
あんなことがあって以来、旬とは顔を合わせていない。
あれからメールでのやり取りすらない。
気持ちは落ち着いた。でも今、会うのは正直ちょっと怖い。
「…反応が薄いなぁ。みんな舞を応援してるんだよ」
「それはわかってるけど…」
唯とて舞のことが羨ましいのだ。
それに加え、最近は『相方』のはずの夏織がノブアキと…内心皆が遠い存在になりつつあったのだ。
とはいえ舞と滝谷旬のことは本当に心配だった。
舞には幸せでいて欲しい…
唯は舞に自分を投影させているのかもしれなかった。
「ちょっと行ってみない?…滝谷んち…」
「や、やだよぉ…そんなぁの…」
「何言ってんのよ…これで自然消滅でもしたらどうすんの?…」
自然消滅…その言葉を聞いただけでも恐ろしくなる。
旬のことは大好きだ、でも今会うのは躊躇われる。
だけどいつまでもウジウジしてるとその関係はどんどん悪化していきそうで…
「よし、じゃあ」
アイスティーを飲み干して、唯はスマホを取り出す。
「な、何するの?」
「滝谷を呼び出してみようかなと」
「え、ええええ!?」
そんな…旬に何かして貰うことには抵抗があった…
それにもし断られでもしたら…;そう思うと怖くもなる…
「分かった、分かった…じゃあ旬の家に行くよ…」
こんな時間に旬が家にいるとは思えなかった。
それで唯の気が済むのなら、おばあさんとお茶でも飲んで帰ってくればいい…舞はそう自分を納得させる。
「そっか、じゃあ頑張れー」
唯は舞の肩をポンと叩く。
「唯はどうするの?一緒についてくる?」
「あとは舞が頑張るんだ、私は真里菜と遊んでくるー」
…なんとも唯らしいというか。
それでも自分の背中を押してくれてるんだよね、舞は唯に感謝するのだった。