風紀委員Girls! 553
桜は少し照れながらはにかんで言う。
そんな顔で言われたら、ますます…気持ちが変わりそうで怖いよ…
「桜、お前、初めてだったんだろう…」
「うん…初めてが旬で、本当に良かった…ありがと」
「…や、それは…」
旬は言葉に困ってしまう。
「初めは演技の勉強なんて言っちゃったけど…ほんとはずっと前からこうしたかったんだ…」
あ;…俺の画像、観ていたって言ってたもんな;
「でもそうゆう役をやるのは本当なんだろ?…」
「うん、それはほんとだよ。旬のお兄ちゃんとベッドシーンやるんだよ…」
ゲっ;…兄貴の恋人役って、そんなシーンまであんのかよ;
いくらお芝居だといっても、兄貴に嫉妬してしまう気持ちがどこかにある。
初めてもらった大きな仕事で、そんなシーンがあるってのは桜も大変だなと思ってしまう。
「あ、お兄さんとはホントにするわけじゃないからね」
「それくらいわかってるさ」
桜は場を和ませるために言ったのだろうけど、ムキになってしまう自分が情けないというか。
「…舞には、内緒だよ」
「…わかってる」
こんなこと言える訳ない…
いくら桜に気持ちが傾いてるとはいえ、舞は俺のカノジョなんだからね…
「また、舞にはナイショで…デキルかな?…」
とはいえ、桜と寝たい欲望は消し去ることなんか出来そうも無い;…
「それは…その時次第だな…お互いに時間が作れて、会える機会があれば…」
「うん」
桜は旬に顔を近づけ、軽くキスした。
桜が身を整え直して帰っていった後も、旬はその余韻に浸っていた。
桜と気持ちを通じ合えたことは良かった。
あとは、舞と仲直りすることだ…