風紀委員Girls! 56
…No.3もねえ…
やっぱりノブアキは裸の王様のような気がする…舞はそう思った。
そして、滝谷の身が…
舞はさらに先を急いだ。
予定の待ち合わせ場所。
舞が向かうと、菜々美に加えてもう一人の諜報部員・高杉菜摘の姿もあった。
「菜摘もいたの?」
「もし何かあったらと思って。人数は多い方が良いでしょ?」
「中の滝谷旬の様子は?」
「始めは反撃もしていたのだけど、今はご覧の通り…」
菜々美に促され、舞は割れたガラス窓にそっと眼を近づける…
高天井のダクトから長く垂れ下がった鎖で、滝谷旬は上半身裸で吊るされている。
その腕や胸筋…腹筋には、幾つもの赤黒い内出血の跡が刻まれていた。
「そんな…こんなに…」
滝谷の姿を見て、絶句する舞。
「ここに呼び出されて、不意打ちって感じだね」
「酷い…」
「青海のNo.3、中山剛。サッカー部のキャプテンで、人気のある存在だって」
「佐伯祐樹とは仲が良いってね」
菜々美と菜摘が情報を舞に教える。
「…この中、今は誰もいないの?」
「見張り以外は帰ったと思う」
「見張りは何人?」
「入口に2人、中に5人ってところね。」
「菜々美、菜摘、入口の2人は任せてもいい?」
「もちろんよ。でも舞1人で中の5人も大丈夫?」
「何とかなると思うはぁ。それよりも早く手当てしてあげたいじゃない。」
舞は拳を作り、それをポキポキと鳴らす…
「ま、舞を見た目でバカにしたら痛い目に逢うよね!」
「私たちも早めに倒しちゃって舞の方に行くから!」
「ありがと、2人とも」
舞、菜々美、菜摘の3人は旬が捕らわれている廃工場の入り口へと勇んで行く。