風紀委員Girls! 544
「舞のことは…考えないで…」
口に出してもいないのに桜に悟られる…
「あ、ああ…」
演技とはいえ、こういうスチュエーションで別の子のことを考えるのは失礼だよな…
「私…舞ほど胸大きくないから…」
「ぅえ?;…そ、そうなのか?…」
桜をそっと抱きしめる。
女の子特有なのか、桜だからなのか、心地よいいい匂いがした。
それは舞にしても同じ。
桜は舞より背が高いから旬はむしろ桜の方がスタイルが良いと思っていた。
「桜の方が背は高いだろ」
「それだけだよ」
「それだけってことは無いさ…そうじゃなきゃ、芸能事務所なんて入れないさ…」
耳元に息を吹き掛けながら、旬は優しく言う…
「ぁ〜ん…くすぐったいよぉ…」
桜は身をくねらせる。
「逃げちゃダメだよ…これが段々気持ちよくなるんだからさ…」
旬は桜に対し上手に出ながら身体を抱き寄せ、そっと唇をつける。
「ああっ…そんな、そんなに…」
「コレが気持ちよくなるんだ」
旬は桜の身体をゆっくりと押し倒す。
桜は潤んだ瞳で旬を見上げた。
その姿は…可愛い、それに美しい。
「大切にするよ…」
“好き…”とか“愛してる…”と言うよりも、旬はこう言いたかった…
それは旬の心の底から出てきた本心の言葉だった…
「しゅ…旬…」
桜は旬の言葉に動揺してしまう…
こんな優しい言葉を掛けられると、心までもが一線を越えてしまいそうで怖くなってしまう…