風紀委員Girls! 540
またロケ弁でも持って来てくれたのかな?…
ここんとこ金欠で、ろくに食っていない旬にとっては、どんなもんでもありがたかった…
「悪いないつも…」
そうだと決めてかかった旬は、喜び勇んで扉を開ける…
「ごめんね…休みなのに突然…」
桜は申し訳なさそうに、照れた笑いを浮かべていた…
この前のことを思い出すと少し恥ずかしくて、よそよそしく振る舞ってしまう。
「今からあっためるから、一緒に食べよう?」
「おう…」
桜は靴を脱いで上がり、キッチンに差し入れを持って向かう。
いつもの可愛らしいエプロン姿だ。
女の子が台所に立っている姿っていいよな…
桜の後ろ姿を見て、旬はしみじみと思ってしまう。
「おばさんは?…」
「ああ婆ちゃんだったらいつもの散歩…何処で油売ってんのか知らねーけど、二三時間は帰って来ないさ…」
「それじゃあ…暫くは2人っきりなんだ…」
桜は背中を向けたままポツリと言った…
…桜が旬の方をちらりと見やる。
「どうした?」
「…なんでもない」
桜はまた背を向けて差し入れの食事を2人分に取り分ける。
…あの日から、まだそんなに経っていない。
旬は思わずそのときのことを思い出してしまった。
そっと自分の唇に手をやる…
唇を重ねただけの淡いキスだった…
舞とのファースキスは覚えてもいないのに、あの桜とのキスは鮮明に記憶に残っていた…
シンクの前に立つ桜の後ろ姿への視線は当然尻へと向かっていた…
ゴクッ…
旬の喉仏は自然と上下する…