風紀委員Girls! 537
「あうぅ」
「そんなに熱くはないけど、ゆっくりしてなさいよ」
「うん…わかってる」
「弱った身体に効くあったかい飲み物でも作ろうかしら」
そう言ってキッチンへ向かうお母さん。
「そういえば舞って、生徒会長なのよね」
「…それがどうかした?」
「昨日の旅行先で、お孫さんが青海の生徒会長やってるって人に、偶然会ったのよ…」
うぇ?!…それってノブアキのおじいちゃんかおばあちゃんだ…
「青海の生徒会長ならよく知ってるよ…その妹は桜咲の生徒会長だもん…」
キッチンに向かい大きな声を出す。
2人のおじいちゃんかおばあちゃんなら、凄い興味がある…
「どんな人だった?」
「普通の老夫婦って感じだったなぁ。年齢よりもずっと若々しくて元気そのものよ」
「へぇ…」
ご夫婦一緒だったんだ…
「よく知らないで舞のいいように任せていたけど、清水と桜咲ってライバルだったの?それだったらなんか…申し訳ないなって…」
「ああ、そんなことだったら心配ないよ…そんなことにこだわるのは私たちよりも寧ろ、親の方だと思うよ…」
真里菜のお母さんの顔が浮かんだ…
あの世代の人は、桜咲以外の女子高は認めないってところがある…
「そうなの?…まあ桜咲は古い学校ですものね…」
「青海と同時期に出来たらしいから、お母さんが会った老夫婦の親が作ったってことなのかな?」
「きっとそうなんじゃないかなぁ」
「人は見た目によらないものね〜」
「お母さんだって、人から見たら高校生の娘がいるようには見えないと思うな」
「ふふっ、それは若いってことかな?」
お母さんは得意げに笑う。
「ま、いろいろ話を聞いてくれたのは真理子なんだけどね」
美菜子のお母さん…戸松真理子。
あの人はあの人で、美菜子はまさによく似た娘だと思う。