「多分舞は反対するよね…高校ぐらい出ていたほうがいいって…」
「ああ、舞のそう言う声が聞こえるようだよ…」　

「仕方ないよ…百人中百人がそう思うんじゃないかな？…」
「多分な…、その日の食い物を心配しなくちゃいけない奴なんて…今の世の中でそうはいないもんな…」

「旬くんの置かれた現状…、本当に分かるは私だけかもしれないな…」

桜の手が旬の手に添えられる。
憂いを帯びた思いつめた表情の桜を見て、旬は思わずドキッとする。

「お前…」
「いや、舞が悪いわけじゃないよ…でも、同じような生活してると、そう思っちゃうんだ」
「まあ、そうだな…」
どこか視線を合わせられない、気まずさがあった。
しかし、それとは裏腹に、興奮しているところも、旬にはあった。

偶然にも俯いた視線の先に、桜のシャツの襟ぐりが大きく開き、中の谷間が覗いて見えていた…

ごくっ…
無意識に喉が鳴り、旬は慌ててそっぽを向く。

「もう２人っきりになれることなんて、ないかもしれないね…」
…桜はその額を、旬の背中にコツんと預けてきた。

「ば、馬鹿…お前、そんなこと、まだ決まったわけじゃ…」
「でも、寂しいな、って…」
桜の声が震える。
それと同時に、桜の手が旬の首元に伸びて…抱きつかれる。

「泣くなよ…」
「泣いてなんかないよ…」
背中に当たる桜の身体。
その胸が、意外なくらいボリュームがあって、旬はまたドキドキしてくる。

桜の息が掛かる程に近くに感じ、旬はそっとその唇にキスをしてしまう…

「あ、ダメ…舞に悪いは…」
桜は慌てて旬から身を離し、背を向ける…

「わ、悪い…つい考えも無しに身体が勝手に；…」
額の汗を拭いながら言い訳する旬の股間は、ギンギンに勃起していた；…