風紀委員Girls! 489
「え?…こんな朝早く、おばあさんに迷惑じゃないかな」
やっぱり舞の親友だけあって、考えることは一緒だな。
「ばあちゃん今散歩中だよ。たぶんしばらくは戻らないな」
「…大丈夫?」
「ああ、自分でまだまだ足腰には自信ある、なんて言うくらいだからな」
「そう…じゃあ」
旬がドアを開くと桜がそれにつれて入ってくる。
「ところで、さっきの人、彼女って…」
「ああ、お前のクラスメートのお姉さんだってさ。確か本多…」
「へぇ、真里菜のお姉さんの…」
「ああ、やっと思い出したか…」
「真里菜のお姉ちゃんってことは、もしかしてユリナ?!」
「おいだから呼び捨てるなって;…ユリナさんじゃないよ、その下の沙里菜さんだよ…」
「ああよかったぁ〜やっぱりユリナさんには多岐亮とくっついて欲しいんだよね〜」
まあ誰が見てもお似合いの2人だからな…
「しかし、お前芸能事務所とってのはいいけどよ、学校とかチビたちの面倒とか大丈夫なのか?」
「そのためにお姉ちゃんは頑張って、有名になるんだ!」
…などと意気込む桜。
その意気は認めたいし、頑張ってほしい気持ちもある。
兄貴だってきっとそうだからな。
「あ、それより朝ごはん!」
「おう…悪いな…」
台所に立つ桜の後ろ姿をコソッと見る…
子供子供と思っていたけど、桜のその身体はすっかり丸みを持ち、女性らしくなっていた。
「お前、彼氏とかいねーのか?…」
桜の背中に向かい、気になっていたことを聞く。
「彼氏?やだなぁ、そんな人私にはいないよ〜」
「そうか?お前みたいに可愛い女の子だったら、絶対に男は黙っちゃないと思うんだけどな」
「ふふふ、だったら滝谷くんはどうなのよ〜」
正直、舞たちの話に出てくるまではコイツが可愛いとは思わなかった。
でも、次第に…芸能活動までするようになったくらい…だんだんと見る目が変わったような気がした。
「そりゃお前、清美の生徒会役員じゃ…俺らの間じゃ結構有名だぜ…」