風紀委員Girls! 459
同年代の舞たちが悪いというわけではない。
ユリナさんといい、沙里菜さんといい、年上の女性はなんだか一緒にいるだけで心が落ち着くような気がした。
だからこそ兄貴もユリナさんと…旬は思いをめぐらせる。
視線の先、あの女性はいつの間にか姿を消していた。
いったい誰なのかわからないけど、あの人にも似たようなものを感じた。
「旬くん、ソースほっぺについてる」
声をかけてきたのは恵里菜だった。
ん?…
ユリナさん沙里菜さんとはまた違った、歳上ならではの魅力を恵里菜さんには感じてしまうんだよね…
もちろん三人の中では一番若いんだけど、なんだかとても落ち着いていて、精神的には一番大人なのかもしれないな…
タイプの違う3姉妹、みんな魅力的に旬の目には映る。
これで成績も優秀で、ということになると末っ子の真里菜は苦労して当たり前なのか?
それが弟や妹の宿命だろうか。
「ありがとう…」
「美味しい?満足した?」
「あ、うん…まあ…」
「帰りに2人でラーメン食べてく?…」
沙里菜さんが皆に聞かれないような小声で言う…
なんだかドキッとしてしまう。
それゃあ、慣れない場所での食事だったから食べた気はしなかった。
ラーメンだったらあとに2、3杯はいけるかもしれなかった。
それよりも沙里菜さんが言った…『2人で…』ってとこに、どこか何かを期待してしまう。
「いいんスか?」
期待はしながらも、旬は恐る恐る沙里菜に尋ね返す。
頭の中にはあの春日粋の顔が思い浮かぶ。
「大丈夫。みんなにはうまく言っておくから。ここはお洒落で料理も美味しいけど、旬くんみたいな男の子は、もっとガツガツ量食べたいでしょ?」
「まあ、そりゃそうですけど…」