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風紀委員Girls!
官能リレー小説 - 学園物

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風紀委員Girls! 449

…………………
伊織は一人、緩やかな上り坂を歩いていた。
真里菜の家と自分の家は距離こそあれど幹線道路でほぼ一直線のところ。
いつもならなんてことのない坂道、のはずだった。

それが、今日は違った。
足取りは重い。身体が思うように前に進まない。
決して体調が優れないわけじゃない。でも何かがおかしい。

悔しかった。泣きたかった。でもどうすることもできなかった。
真里菜の母親の言葉に、憤りを感じたけどそれだけ…
帰り道、伊織の涙腺は崩壊した。

「みっともない顔だな」
伊織はそう言われて、坂の向こうを見上げた。

見慣れた優しい笑顔…頬を上げる剛の顔が涙で潤んだ…

「どうしたの?…何で此処にいるのよぉ…」
しゃくりあげそうになりながら、伊織はやっとの思いで声を出した。

「お前の友達がメールくれた…取るものも取らずすっ飛んで来たから見ろ…」
普段お洒落に気を使う剛の格好は、襟ぐりの伸びたTシャツにトランクスみたいな短パン姿だった…

普段こんな格好では絶対外に出ることはない剛。
それが急なことで、しかも自分が理由なのだから…もうどうすればいいんだか、伊織は混乱するばかり。

「まったく、そんな格好で…」
「お前が心配だったからだぞ」
「剛…っ…」
剛の胸に抱かれ、伊織はもう自分の感情を抑えきれなかった…

こんな弱々しい伊織を見るは初めてだった…
意外ではあったが、そんな姿を見せてくれたことが剛には嬉しかった。

自分が伊織の少しでもの慰めになるのなら…そう思い、身体を密着させて強く抱きしめる…

そんな優しい気持ちしか抱いてはいなかったのに、若い剛の股間は反応してきてしまう…

伊織は剛の胸の中で嗚咽を漏らし続ける。
その頭を優しく撫で、慰める。
そんな可愛らしい伊織の姿に、剛は自然と欲望を抱いてしまっていた。

だが、今ここではまずい。
「帰るぞ、伊織」
「…ありがと」
伊織は剛の手をキュッと握り締めた。

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