風紀委員Girls! 444
「ふぅぅ…」
台所で1人、静里菜は深い溜め息をつく…
静里菜の中では、夫を裏切ったという後悔の念が絶えず渦巻いていた…
ましては春日粋は、娘である沙里菜の彼氏なのだから…
それでも静里菜にとって、若い粋の身体は魅惑的過ぎた。
しかもセックスの上で、自分に主導権があることなどは、夫との行為ではあり得ないことだったのだ…
夫のことを愛しているのは変わりはない。しかし、最近このようなことはご無沙汰だった。
それだけに自分がこの美青年に虜になっていくのが手にとるようにわかっている…静里菜は身震いした。
「ごめんなさい、お母さん…」
「君が謝ることはないのよ…」
ほんの数時間前に抱いた疑念など、まるで最初からなかったのだと静里菜は思い込むようになった…
夫との寝室に粋を招き入れる…
娘たちやその友達が、自分を煙たがって出ていったのは分かっていた…
それでも粋だけが残ってくれたのは、私を気使ってくれてのことなのか?…
ふっ……
そんなことない…か
この青年が望んでいるのはセックスだけ…
それならそれで構わない…
「さあ…私の服を脱がして…」
粋は静里菜を後ろから優しくハグすると、そのまま彼女の服を捲りあげ、下着の上から胸を優しい手つきで包み込むように揉みあげる。
静里菜はウットリした表情を浮かべながら粋の愛撫に身を任せていく。
身を半分ほど粋のほうに返すと、唇を重ね、濃厚なものへと移り変えていく。
彼は娘の彼氏だ。それは変えようがない。
しかし、もう自分を止められない。
粋も黙ってその関係を受け入れていた。
初めは黙らせる為のキスに過ぎなかったのに…と粋は思う。
同性愛者…ゲイ…オカマ…変態
その言葉に冴え鈍れ…街を出て行かざるおえなかった数年前…
そんな根も葉も無い噂を流したのは、この女のような暇を持て余した主婦たちだということを粋は知っていた…
そんな女たちの温室のような家庭を壊してやりたい…
あのキスの時は、そう思っているに過ぎなかったのだ…