風紀委員Girls! 437
「あ、ああ、まあ…」
旬は照れくさそうに頭を掻く。
「確かにそう言われれば似てるかも。ユリ姉が帰ってきたらどうなるかなぁ」
「い、いや…」
まだユリナの名前を聞くと心が動揺する旬。
「なんだぁ、自分から白状したじゃないかぁ」
「いずれはわかっちゃうなら、自分から言ったほうがいいだろ」
美菜子の突っ込みは何とかかわす。
…そんなやり取りをしていると、玄関のあたりが賑やかになる。
「真里菜のお帰りね」
沙里菜が出迎えに向かう。
「ごめん、人数多くなっちゃった…」
そう言って苦笑いする真里菜の後ろには可憐と伊織、その影から柄でもなく控えめに覗き込む美咲の姿があった。
「どういう風の拭き回し?…美咲がパソコンから離れるなんて…」
美菜子が笑いながら毒舌をかます…
「違うの違うの、私が無理言って美咲を連れ出したのよぉ〜!」
真里菜が美咲を庇うように言う。
「そうですよ、今日は美咲の為に集まったようなものですもの」
「私の為?…アリシア、それってどういうこと?…」
「おや?聞いておりませんの?…ここに多岐亮が来ることをば…」
「な、なんだって!?」
「そんなこと、何も聞いてなかったよー…」
旬と舞が驚きの声を上げる。
「あぁ、ごめん、舞に伝え忘れちった」
美菜子よ、『テヘペロ』しても許されると思ってますか?
「ふふふ、ドッキリ成功ってとこかしらぁ」
「まだ来てないから成功も何もありませんけど…」
可憐、伊織、2人はそのための要員だったってわけ?
…そして、いつもクールな美咲が口をパクパクさせてガタガタ身体を震わせて…誰か助けてあげて…
「でもユリ姉、旬くんが来てると分かったら…驚くと思うよ…」
真里菜のポロッ出た一言に、旬の表情が青冷める…
「えっ?…ユリナさんと旬は、もう会ったことあるんだよ」
2人の過ちを何も知らない舞は、真里菜の言っている意味が分からないのも当然だ。
「あっそうだったよね;…ゴメンゴメン」
自分の口が滑ったことに気づいた真里菜は、美菜子に続き『テヘペロ』でごまかす。
「お、おい、お前ら、勘弁してくれよ…」
旬は頭を抱えてその場にうずくまる。
ユリナの名前を聞くたび、あの時のことを思い出してドギマギするというのに…
…そんな状況の中、再び玄関が賑わしくなる。
ユリナのご帰宅である。