風紀委員Girls! 434
そんな中で旬だけが浮かない顔していた。
ユリナと関係を持った直後のあのレイプ事件…
旬は警察での取り調べでも、自分のアリバイになるにも関わらず、ユリナのことは決して言わなかった…
それはユリナのスキャンダルを考えてのことではあったが、それ以上に男としてユリナを巻き込みたくは無かっのだ…
そんな自分の身を犠牲にしてまでも旬が守りたかった根底には、ユリナが長年思い描いてきたタイプの女性だったからだ…
旬の住むアパートから緩やかな上り坂をあがると、真里菜の住む家に到着する。
「でかい家だな…」
「詳しくは聞かないけど、真里菜のお父さんって会社の役員って噂」
「美咲が言ってたことだね」
「そういやお前ら当のお友達に了承得て来てんのか?」
「うん、お父さんは仕事でしばらくいないって聞いたけど」
家の門の前に来ると、同時にドアが開く。
「皆さんようこそいらっしゃい、真里菜の高校のお友達が来るなんて、初めてなのよ…」
えっ…?
「しゅ、旬…あの人…」
「わ…分かってる…、黙っとけよ…,」
旬の言葉に、舞は動揺をかろうじて抑えた…
ドアを開けたのは沙里菜だった。
さっきのことがあったので、舞と旬は何とか動揺を隠そうとする。
「初めまして、真里菜さんのクラスメートの戸松美菜子ですっ」
「同じく、アリシア・シャーロットですー」
「あ、天野舞ですっ」
「よろしくね。真里菜にお友達が出来たと聞いただけで驚きだったのよ」
「…真里菜ってそんな子だったんですか?」
「まあ、今とはえらい違いだはぁね。明るくなったのもそうだけど、凄く強くなったはぁ。」
それはそうかもしれない…入学当時の弱々しさは無くなったと、誰もが思った。
「さぁどうぞ、今日は姉も帰ってくるし、私の友達も来るから遠慮なさらずにね!」
帰ってくるってことは、まだユリナさんはいないんだな…
旬はホッと胸を撫で下ろす。