風紀委員Girls! 418
…なんと言うか、本当に嘘が下手なんだなぁこの人は
舞はそんな風に思ってしまう。
でも、そんな何気ない気持ちが、今の舞にはすごく嬉しかった。
今日の昼休みにした話を思い出すとなおさらだ。
「いいよ、旬。一緒に帰ろ」
「お、おう」
舞は旬の傍により、腕を組みだした。
「おっ;おい!…誰かに見られたら;…」
旬は舞の腕から逃げようとする…
「いいじゃない誰に見られたって…私たち付き合っているんだから…」
舞は旬の腕を強引に掴む…
「いいのかよ舞は?…俺みたいな男とベタベタしてたら、あっという間に噂の餌食だぜ…」
「噂?そんなの私気にしないもんね。悪い噂が出回ったって、守ってくれる人はたくさんいる…それに、旬と私のこと、みんな応援してくれてるもん。大丈夫」
舞は旬に絡ませた腕の力をさらに強めた。
「それに…旬のこと、ホントにホントに大好きだから…」
舞の声がだんだん震えだす。
「お、おい、舞、何泣いてるんだよ…」
「だって、だって、旬が…」
「わ、悪い;…悪かったよゴメン;…前に兄貴が酷い噂を立てられたことがあったから、つい…」
旬は舞の手を強く握りしめた。
「酷い噂って…前の?…」
「ああ、舞も知ってんだろ?…兄貴が変態だって言うあの噂…」
旬は“ぺっ”と、唾を吐き捨てながら言った…
それは間違いなく、滝谷亮と春日粋の関係をめぐるあの噂。
「それ、事実とは違ったんでしょ?」
「まあ、そうだけどな…」
「昔は昔、今は今だよ。その春日さん、今付き合っている女の人がいる」
「マジで?」
「うん…私の親友のお姉さんだよ。彼女もその噂を気にしてたみたいだけど」