風紀委員Girls! 416
…その時間は、舞も真里菜も何とか他をやり過ごすのだった。
―放課後。
皆が教室から出て行く中、真里菜はまだ帰り支度すらせず、ただ窓際で座ったまま。
それを不思議に思った舞は、カバンを肩から提げながら見つめ、真里菜に尋ねる。
「真里菜、どしたの?」
「舞…ちょっと、話があるんだけど…」
「うんいいよ。今朝から真里菜、どうも様子がおかしいと思っていたんだよ…」
「流石舞だね…観察眼が鋭いよぉ。」
「またぁ人をバードウッチャーみたいに言うぅ;…。で、どうしたっていうの?」
「それがちょっと気になることがあってさ…」
真里菜は言い難そうに、遠くを見ながら言った。
「皆の前では言えないこと…って訳ね。」
舞は真里菜の顔を覗き込んだ。
「まあ、ね」
真里菜は舞の頭をポン、と撫でてため息をひとつつく。
「で、どんな話?」
「ちょうどさっきの休み時間の話…春日さんのお兄さんが」
「うん?」
「沙里姉…東京の大学に行ってるお姉ちゃんなんだけどね…そのお兄さんとお付き合いしてるんだ」
「へぇえ…」
舞は返事をしながら首を傾げた…
その男の性的趣向を、真里菜は知らないんだろうか?…
「舞が変な顔するのも分かるよ…」
「あっ;ごめん…その人のこと…いろいろ聞いてるからさ…」
舞は罰が悪そうに頭を掻く…
「私も初めはってきりそうだと思っていたよ…」
なんだぁ;真里菜も知っていたのねぇ;…
「そのお兄さんと、真里菜のお姉さん、うまく行ってる?」
「うん、私も心配だったけど、大丈夫そう。沙里姉もすごく楽しそうだったから」
「そっか、それならよかった」
舞と真里菜、お互い笑い合う。
「真里菜のお姉さんって、みんないい人そうで羨ましいな。私、一人っ子だから、いつも姉妹がいたらよかったのにって思ってた」