風紀委員Girls! 414
「あははは、そんなことは全然ないない」
綺麗なブロンドを掻き分けながら、アリシアは首を横に振る。
一部分に関しては日本人以上に日本人らしいところを見せる。
初めて会ったときからは考えられないほど日本語も上手になった。
そんなアリシアは、誰のことが好きなのだろう…舞はそう思っていた。
「告られた男子の中には、アリシアのタイプはいなかったってこと?…」
興味があるのは舞だけでは無かった、横から和葉が身を乗り出す。
「うぅ〜ん、まあそんなことも無いんだけどぉね…」
「それじゃあどうして?…こないだ告られた青海テニス部の男子なんて、福士なんとかとか言う俳優みたいにカッコよかったのにぃ〜」
「福士なんとか?…私そっち方面の勉強が足りなくてぇ;…」
「あ、ああ…そっか…でも、すごいイケメンだったじゃん。しかもテニス部のエースでしょ」
「うーん…それでも、何かピンとくるものがないっていうか…」
舞や和葉が乗り出して聞くが、当のアリシアはどうも興味が無さげだ。
「アリシアも明日香と涼みたいに…」
「それは違うよ」
「…そこできっぱり言われると凹むなぁ」
明日香ががっくしと机に突っ伏す。
「ああぁ〜そんなつもりで言ったんじゃ無いよぉ〜、2人のことは応援してますってぇ」
「いいのよぉいいのよぉ、私と涼の歩んでいく道は、誰にも理解されない"荊の道"ですもの。」
「またぁ明日香ったらぁ〜、自分に酔ってるんじゃない?」
冷めた口調で可憐が言う。
「へへ;…バレたぁ?」
明日香は舌を出しながら、自分で後頭部をペシャリと叩いた。
「でも、明日香と涼はホントにお似合いな2人だと思うよ」
「誰にも理解されないって言うけど、私たちはちゃんと、明日香さんのこと理解して、見守り続けますから」
真里菜と、いつの間にやら傍にやってきた伊織が続けて言う。
「ありがとうありがとう2人とも。何があっても私は涼と2人で頑張っていきますゆえ…」
明日香は幸せそうな顔で言う。
「ところで、そんな伊織ちゃんは彼とはどうなんですかな?」