風紀委員Girls! 410
「知ってるも何も、粋くんが自分で話してくれたことがあって…辛かったんだろうね」
沙里奈の言葉に、ユリナ、恵里奈、真里奈は神妙な面持ちでそれに聞き入る。
「だから、そんな粋くんをなんとかしたくて、男にしてあげたくて、私が付き合おうって告白した。粋くんの初めての女になれて、幸せだよ」
「きゃっ!沙里姉ぇ〜やるねぇ〜」
真里奈は顔を赤らめながら言った。
「でもよかったぁぁ〜過去がどうであれ、沙里奈がそう思えたことが一番だよ…」
ユリナは沙里奈に優しくハグする。
「ありがとうユリ姉…、本当はまだまだ不安なことは一杯あるんだけど、とりあえず頑張るよ…」
尊敬する姉と、可愛い妹2人に励まされ瞳を潤ませる沙里奈。
「先は長いんだから…でも、前向きな沙里奈なら、きっと大丈夫よ」
「ありがとう、ユリ姉」
ユリナはうんうんと頷いて、今度は恵里奈を見つめた。
「えっと、ユリ姉…何?」
「うん、恵里奈、ホントは桜咲大に行きたくないんだろうなって」
「それは私も感じたは…そうなんでしょ?…」
ユリナも恵里奈の顔を覗き込む。
「う、うん…桜咲大には…私が学びたい学部が…無くて…」
恵里奈は2人から目を逸らしたどたどしく言った。
「そうなの?…もしかしてそれって、お母さんを説得する為の言い訳じゃない?…」
「やっぱり…ユリ姉や沙里姉にはわかっちゃうよね…」
「何と無くよ。恵里奈の気持ちもわかるわ」
恵里奈は項垂れ、ユリナは腕組みして頷く。
「じゃあ、ホントの理由は?」
沙里奈が尋ねる。
「ホントは、ここから通えるところが良い。できれば、真里奈の側にいてあげたいから…」