風紀委員Girls! 408
「ウチは代々桜咲の出身でね…」
テーブルの上の皿に何もなくなった後も、静里菜は粋に嬉々としながら話をする。
桜咲出というのがステータスという静里菜、青海出身の粋。
…当然真里奈はいい顔ではいられない。
そんな真里奈を察してか、沙里奈は頭を撫で、恵里奈が肩を優しく叩く。
ここで真里奈を庇うような発言でもしたら、倍返しの如く桜咲のいい所を羅列するであろうことは2人には分かっていた。
就職することなく、桜咲大を卒業して直ぐに父親と結婚して家庭に入った静里奈にとって、桜咲での思い出が全てなのだ…
「それでは恵里奈さんはそのまま桜咲大に進学を?…」
「もちろんですよ!桜咲ほどいい学校はありませんもの!」
粋の問いに、答えたのは静里奈だった…
そんな静里菜の話を聞いて、ユリナは隠れてため息をつく。
その後で、妹3人にここから出て別の部屋に行こうと促す。
恵里奈と真里奈も頷き、沙里奈は粋に一言告げて席を立つ。
向かったのは2階、ユリナの部屋。
それぞれベッドや椅子に腰掛ける。
「…あれだと自慢話で結構な時間かかるだろうしね」
「ありがと…ユリ姉」
「真里奈の気持ちは痛いくらいわかるからね…」
「でもいいの?春日さん一人にお母さん押し付けて…」
「まあこれも人生勉強よぉ。彼ったら大学でもほとんど女とは話さないんだから…」
「話す女は沙里姉だけってことぉ〜…それってお惚気だぁ;…」
「そんなんじゃ無いって!;…なんか女とか苦手みたいなんだよね…」
沙里奈の言葉に顔を見合わせるユリナと真里奈。
「じ、実はさ…彼のことで…妙な噂を聞いたことがあるんだけど…」
「うん、噂?」
小首を傾げる沙里奈。
もう一度目配せして、ユリナの方が話し始める。
「こっちの勘違いだったらごめんね…彼、その、何て言うか、男が好き…なんじゃ、って…変な話よね…」
「うーん…それ、案外間違ってないかも…」