風紀委員Girls! 400
「高校生まで真面目で勉強一筋だった沙里奈が見た目こんなに変わっちゃうんだもの、そう勘繰るのは当たり前よ〜」
ユリナはニヤリと沙里奈に向けて微笑む。
「えへへ…ユリ姉は鋭いよね…」
「それにしてもどうやって知り合ったの?あの大学ってお堅いイメージしかないじゃない」
「それがさ、地元の子だったの…」
「へぇ?…地元ってこの辺りの?…」
「ええ、青海だったのよ…」
「やだぁ〜、沙里姉は前からその人のこと知っていたの?…」
「ううんぜんぜん…青海特有の派手さは無い人だからさ…、そうだ真里奈、彼の妹さんも清美だってぇ、春日って子…知ってる?」
「ふぇ?春日?」
真里菜がいきなり話を振られて素っ頓狂な声を上げる。
「あ、あ、うん…春日さん、ねぇ。私と同じクラスだよ」
「あ、そうなんだぁ。意外と身近なんだね〜」
沙里菜が言う。
春日…真里菜のクラスメートである愛と、樹龍署の刑事・純。
その間にもう一人きょうだいがいることは聞いていたが、真里菜は彼がどんな人物なのかは知らなかった。
ユリナは“春日”の名前を聞いて首を傾げた…
どこかで聞いたことのある名前…
確かずっと昔、亮から聞いたような…?
記憶を呼び起こし…それを手繰り寄せる…
黒獅子の学ラン姿の亮…その横で顔を高揚させている青海のブレザー姿の少年…
ユリナの頭の中は、高校時代に遡っていた…
黒獅子と青海は対立する関係。
しかし2人はそんなことを感じさせないくらい仲が良かった。
彼らが昔からの仲だったのかはユリナは知らなかったし、今知りようもない。
自分とも気さくに、明るく接してくれた亮だけど、あの少年とはそれ以上に親しかったとユリナは思うのだ。