風紀委員Girls! 396
…なんなんだこの人たちは
最初こそ、真里菜はそう思っていた。
しかし、徐々に話していく、人が増えていくうちに、それはいつの間にかなくなっていく。
「いやぁ〜私なんて常に落第ギリギリでしたからぁ」
「え〜明日香この前のテストで満点とってなかったぁ?」
そんな他愛もないやり取りに、真里菜もいつしか笑顔になっていて。
「真里菜、よく笑うようになったじゃん」
「えっ?」
信号待ちしているユリナが横を向き、微笑んでいた。
知らず知らずのうちに顔がニヤケてしまったのだと、真里奈は顔を赤らめた。
「舞たちのことを考えると笑えてきちゃったぁ…」
「ふふ、いい友達ね…」
「うん、だからユリ姉も、舞を泣かせるようなこと、もうしちゃ嫌だからね!…」
「あ、う、うん…」
ユリナはその言葉にドキッとしながら頷いた。
…自分も滝谷旬に恋していると知ったら、舞を傷つけることになってしまう。
それが親友である妹・真里奈に知られたら…
ユリナに複雑な思いが生まれる。
はっきり言って、そこまで想像もしていなかった自分を恥じてしまう。
確かに滝谷旬とのあの時は軽い気持ちだった…
ずっと想いを寄せていることを知っているにも関わらず、報われない多岐亮への腹いせ…
旬が亮の弟でなければ、決してあんな風に誘わなかったとユリナは思う…
それでも一度身体を重ねてしまった今、ユリナは旬に魅了されていた。
ユリナにとってそれ程に、旬との身体の相性がよかったのだ…
楽しそうな真里奈の隣で、ユリナは少しばかり申し訳なさを感じていたのだった。
「沙里姉は…来るわけないか」
「あの子は真面目だし、ほとんど勉強一筋みたいだったもの…私だっていつからか避けてたし…」
「最高レベルの大学だもんね…」
そんな会話をしながら、2人は家に帰ってきたのだった。