風紀委員Girls! 375
「ところで先輩と滝谷は、どういった関係なんです?…」
ビールのプルトップを空けながら、純が言った。
「あっ;…だから幼なじみみたいなもんだって言ったでしょ?!」
自分の声が、少し裏返ったことに麻耶は気付いた。
「そうですかぁ?…それにしては多岐亮を知っているなんて、今まで一度も聞いたことありませんけど…」
…そういうところだけ鋭いわね。
もっと普段の仕事に生かしなさい…なんて麻耶は思うが…
アルコールの力か、亮と久しぶりに会えたことのせいか、麻耶の思考回路はいつも通りには行かなかった。
「ち、ちあきのせいよ…アイツが亮くんのファンだっていうから…」
堤ちあき…麻耶の『ミーハーな同僚』、そして同期の仲良し。
麻耶は苦し紛れに言う。
「堤さんですかぁ〜確かにあの人、多岐亮の大ファンっすよね。」
「それは光栄だなぁ。多岐亮も喜ぶよ。」
「何訳分からないこと言ってんだよ滝谷…お前が多岐亮じゃないか…」
「あれは俺じゃないよ…品行方正、爽やか青年…多岐亮はオナることだって無いんだろぉーからさ…」
「やだぁオナだなんてぇ…亮くん酔ってる?」
「いや、僕は別に…」
否定はする亮だが、その言葉には勢いもないし呂律も回らなくなってきたしなんだか怪しい。
「亮くんってお酒弱いのねぇ」
「そんなことは…」
そう言いながら、亮はついに机に突っ伏してしまう。
「あらあら」
「やっぱりですね」
「いろいろと堪っていることも多いみたいだから、酔いも早まったのかしらね…」
「確かに、多岐亮がオナるなんて言うの聞いたら、ファンは腰抜かしますよ。」
「普通の男だったら当然なんでしょ?…」
「あ、まあ…」
「春日もヤルの?…」
「えっ?…あ、それなりには;…」
「それなりにはって…何なのぉよ?」