風紀委員Girls! 372
「それに、あのことは、もう解決済みじゃないか。今更そうされても…」
「そうだけど…」
2人の間ではあのことは解決してたのね…
麻耶はホッと胸を撫で下ろした。
「それより、あっちの問題の方はどうなったんだ?僕もそれが心配で…」
春日は亮の肩を取り、その身体を立上がらせる。
いつも自分の前では下手でいる春日も、亮とは対等に話しているのが麻耶にはなんだか意外だった。
まあ亮とは今まで、弟のことでいろいろ話す機会も多くあったのだろうけど…
「俺が容疑を掛けられた女子大生レイプ事件か…被害者の渕上さんが今だ精神に異常をきたしている以上、あれはもう解決はしないと思う…」
亮はそう言いながら、とても悲しそうな表情を作った。
やっぱり、あれには亮も関わっていたんだ…
麻耶は複雑な思いに苛まれ、心が締め付けられ苦しくなる。
幼馴染みのような存在、だから亮を守ってあげたい。
でも、刑事としては、それを見過ごすわけにはいかないのだ…
そもそも今回起きてしまった椎葉桃子の事件も、レイプされた女子大生の妹である渕上茉莉亜が起こした黒獅子男子を逆レイプしたことへの報復とされている…
諸悪の根源は、数年前に起きたこの女子大生レイプ事件にあるのだから…
「その当事亮くんは、容疑者として話しを聞かれた訳よね?…」
麻耶は身を乗り出し、刑事の顔へと変貌していた…
「麻耶さん、どうしてそれを…」
「ごめん亮くん、ずっと黙ってたんだけどね」
麻耶は真剣な眼差しで、亮を見つめた。
「私、今、警察官やってるんだ」
「えっ…」
「それで、僕がその部下ってわけさ」
純が麻耶の隣にやってくる。