風紀委員Girls! 371
「お客さん?…」
部屋の奥から亮の声…もう出て来てしまったのね…
「お客じゃないのぉ!会社の後輩ぃ」
「ん?…会社って?…」
「いいから春日は、口裏合わせてよぉ!」
「よかったら、上がって貰えばぁどうです?…」
タオルで髪を拭きながら、亮が顔を出してきた…
「おっ」
「ん?」
涼と純の視線が合う。
麻耶はそこでハッとする。この2人を近づけてよかったのかと。
「え…先輩?」
「…」
「ええ、マジですか?先輩の幼馴染って、この人が…」
純が目をパチクリさせて、麻耶に尋ねた。
「あ、まあ…;」
それゃあ目の前に多岐亮がいきなり現れたんだもの、春日が驚くのも無理ないはよね…
「久しぶりだな…」
えっ?…
「ああ、あれ以来だな…」
ふぇ?…
「ちょっと待って…亮くんも春日も…何言ってるのよ?…」
お互いに目を合わさず、照れたようにボソッと言葉を交わす2人に、麻耶はただただ驚いてしまう…
「言いませんでしたっけ先輩…僕と、いや、僕の弟と彼の関係を…」
「あっ…」
麻耶はそこで思い出す。春日家とこの多岐…いや、滝谷亮との関係。
「ご、ごめん…春日…」
「いえ、いいんです。もう恨みも憎しみも、なくなりましたから…」
「すまん春日!」
その場に膝を着く亮…
いきなり春日に向かって土下座したのだ…
「ちょっともういいよぉ滝谷…、先輩が驚いているじゃないですかぁ…」
それゃあ驚くよ;…
春日の弟さんのことなんて、すっかり忘れていたものね;…