風紀委員Girls! 368
「そう、だよね…そう思うと、大人気俳優の初めてのお相手が私なんかで良かったのかってね…」
「そんなことないですよ…麻耶さんとのことは、今でも忘れられませんから…」
「うん、ありがとね」
麻耶は亮を部屋に招き入れる。
「すみません、こんな時間に…」
亮はスニーカーの紐を解きながら、申し訳なさそうに言う…
「全然気にしないで、どうせ一人なんだからゆっくりしていって…」
麻耶は亮よりも早くリビングに行き、脱ぎっぱなしだった衣服とバスタオルを洗面所に投げ込んだ。
「お仕事は?」
「あ、明日はオフなんで…」
「じゃあゆっくりしていけるね!」
麻耶がニッコリ笑顔で言うと、亮もつられて笑った。
「麻耶さんこそ、仕事が…」
「私なんてどうでもいいのよ、ほら…」
「いや、麻耶さんってお仕事、何されてるのかな、って…」
「えっ私?……ただのOLだよ…」
思わず口から出た嘘…刑事をやっているとは言えなかった…
「そうですか…あのころはまだ女子高生だったんですよね…」
ニコっと微笑む亮…この笑顔に皆やられるんだろうな…
「そうね、それで亮くんは中学3年生…私が成人していたら犯罪だはね;…」
「ははは、そんな…」
亮は頭を掻きながら笑顔を見せる。
あの時から随分と時間は経った。
目の前の亮は、当時と比べたら遥かに精悍ないい男になった。
それでも、あの頃の面影も感じられた…麻耶はそう思った。
「今でも時々、麻耶さんや由真さんのこと、思い出すんですよ」
「そう、ありがと…でも、今の亮くんは私から見たら随分遠い存在になっちゃったなぁ…」