風紀委員Girls! 367
「……………えっ?」
麻耶の時間が一瞬止まった…
眼を大きく見開き、瞬きすらすることは無かった。
「あ、麻耶さん?…………大丈夫ですか?…」
麻耶のリアクションに驚いた、心配気な亮の言葉に我に返った…
「やだぁ…多岐亮が亮くんなのぉ!?…」
「え、ええ、その…ずっと何も、連絡とか出来なくて、ごめんなさい」
「い、いいのよ、亮くんはそれどころじゃないでしょ、それに私は亮くんの彼女とかそんなんでもないんだから…」
亮はまくし立ててくる麻耶の姿に、少し安心したかのように微笑んだ。
…この顔は、やっぱり、あのときの亮くんと一緒だ。
麻耶はそう思った。
「麻耶さんを見て、今、何されてるのかなって思って」
「私を見て?…」
「はい、夕方コンビニの前で…あの時は撮影の合間で、声も掛けられなくて…」
「あっ、あの時のグラサンの男…?」
「はい;…衣装のまま息抜きに出て来たんで、あんなホストみたいな格好で;…」
「そうだったのねぇ!私、ずっと気になっていたのよぉ!」
「ですよね…僕も気になってましたから…」
亮は申し訳なさそうに頭をかいた。
「あの亮くんがいまや人気俳優なんてね…信じられないなぁ」
「はは、そうですよね…」
「懐かしいな、今でも思い出しちゃうよ」
「僕もです。あと、由真さんもお元気ですか?」
「ええ…由真も今では立派なお母さんしてるのよ…でもあの時の亮くんが、今や抱かれたい男のNo.1だなんて、由真も腰を抜かす程、驚くと思うはぁ…」
一刻も早く、この事を由真に教えたかった;
「その根源である僕の初めては、麻耶さん…貴女だったんですよ…」