風紀委員Girls! 365
ハンドルを握る手に汗が滲んだ…
顔が高揚し、2人が後ろにいてよかったと純は思った。
「ど、どうしてそう思うのさ?…」
声が上擦ってしまう…麻耶先輩に“高校生みたい”と言われたことが蘇ってしまう…
「分かりますよ…春日さんって顔に出やすいんですもん…」
「そ、そうかな?気の所為なんじゃないかな?」
平静を装おうとしても声が上擦る。
年下に上手に取られては…と思っても、心は動揺しっぱなしなのだ。
それに対して桃子は優しく微笑む。
その隣の彩未は純と同様にアワアワしていた。
「私は賛成ですよ…彩未と春日さん、とてもお似合いだと思いますから…」
「ちょ、ちょっと参ったな;…ほんと椎葉さんの考え過ぎだって;…」
「クスっ…まあそれならそれでもいいんです…だけど彩未にいく前に…麻耶さんのことちゃんとしてあげてくださいよ…」
「へぇ?…先輩をちゃんとしろって?…」
「やっぱり気づいて無いですよね…麻耶さん、春日さんのこと相当好きだと思いますよ…」
「いやいやいや、まさか先輩が、そんなことはないでしょ…僕をからかうのはよしてよ、もう…」
「からかってなんていませんよ、私、人を見る目はある、自信があるんですよ」
桃子は余裕の笑みを見せ、純に話しかける。
「桃子…」
彩未が弱々しく声を上げる。
「彩未だって、そう思ってるでしょ?」
彩未は警察に行った時からそれは気づいていた。
2人のあの息の合った会話の押収は、まるで長年コンビを組んだ漫才を聞いているように思ったのだ…
「もしかしたら、麻耶さん本人も…自分の気持ちには気づいていないのかもしれませんね…」
「お、おい;…君までそんなこと言うなよ;…」