風紀委員Girls! 37
「(うわぁ〜青山ノブアキと一緒の車に載っているなんてことが、桜咲の子たちに知れたら大変よぉね)」
「(黒獅子じゃないけど、それこそ清美に対して、宣戦布告してくるかもよぉ)」
「今日は来ていただけて本当によかった。碧ちゃん以外にも清美学園の女の子たちとは、友達になりたかったですよ。」
「そんなぁ、私たちなんかが青山さんに近づいたら、桜咲の方々が黙ってはいませんよぉ」
「桜咲学園ですか、あの子たちには、ほとほと困っているんですよ」
ノブアキは少し困った顔をして話し続ける。
「桜咲の子達が、僕の何が目当てなのか知らないけれど、教室や部活の最中もずっと誰かに見られている気がして。おちおち普通の場所で着替えもできなくて」
「それは大変ですね」
「だから、学園に頼み込んで、専用のルームを作ってもらってはいるんだけど、それも他の人たちに対して申し訳なくて。桜咲にも強く言いたいんだけど、あそこの生徒会長は僕の双子の妹だから…」
「ええ知ってますよ、静香さんですよね。妹さんなら尚更強く出れるんじゃないですか?…」
「それがそうもいかない…母親といい静香といい、青山家は代々女性が家を継ぐ慣わしになっているんで、頭が上がらない…」
「まあぁ…」
舞は驚いていた…
それは青山家の慣わしにでもあったが、それ以上にお高くとまっているだろうと思っていた青山ノブアキが、こんなにも気さくに愚痴を零しているからだ…
形の上ではお坊ちゃまだが、実はそうでもないのか。
舞も他の面々も、ノブアキに対する見方が変わる気がしていた。
「そういえば、野球部でしたよねぇ」
「うん、大して上手いわけじゃないけど、エースナンバーもつけさせてもらって、キャプテンもやらせてもらってる」
「そんな、それだけの力があるからでしょうに」
「でも、野球部なのに坊主頭じゃないんですね」
明日香が言う。
明日香と涼が密着した佐伯裕樹も、ノブアキと同じく坊主頭ではなかった。
「ああ、そういうのは実力とは関係無いって証明したいんだ…やっぱり僕たちだってファッションに興味あるし…女の子にカッコイイって言われたいのは、他の男子と変わらないからね…」
それはそうだろうけど…貴方なら坊主頭になったとしても、充分にカッコイイとは思いますけどね、