風紀委員Girls! 36
「あ、舞!こっちだよ〜」
「ちょっとそこ、道開けてくれるかな?」
「生徒会長様のお通りだぞー!」
舞の声に気づいた涼と彩花、さらに唯の一声もあって、舞の前の人垣はすぐに開けた。
「ありがと…って、なんだこれ…」
目の前に現れたのは、真っ白な超高級リムジンだった…
花道のように開かれた先の、鏡のように磨かれた後部のドアがゆっくり開く…
(あれ?誰か載っていたの?)
焦茶のローファー、ブルーチェックのズボン…
身を屈めてリムジンから降りてきた男に、舞は一瞬息を飲んだ…
(え?どうしてここに青山ノブアキがぁ?
これって青山家からのお迎えだったのぉ?)
長身で爽やかなイケメン、青山ノブアキ。
彼は奥に立つ舞に気づくと、爽やかな笑顔で会釈する。
「清美学園の生徒会長さん、ですよね?」
「は、はあ」
「初めまして、青海大付属高生徒会長の青山です」
「あ、は、はい、どうも、こちらこそ…」
気が動転して言葉が見つからない。
そんなうちに、ノブアキの隣に碧が寄り添ってくる。
「舞ちゃんが来るって言いましたら、ノブアキさんが"お迎えに来る"って仰ってくださいましたもので…」
「そんな、わざわざありがとうございますぅ…」
青山ノブアキが自分の為に来てくれたというそのことに、恐縮してしまう…
「いえ気になさらないで下さい。それに黒獅子の輩が、今回の催しを潰そうとしている不穏な動きがあると耳にしましたもので…」
黒獅子の連中が?
さっき現れた滝谷は、もしかしてそのために…?
舞の表情が一瞬凍りつく。
「どうかしました?」
「いや、なんでもないっす!!」
「そうですか…まあ、家の者が待ちくたびれていると思いますので、皆さんどうぞ乗ってください」
舞を筆頭に、風紀委員のメンバーは青山家の用意したリムジンに乗り込む。