風紀委員Girls! 345
街灯も無い公園…
月の光だけが、由真の白い身体を浮かび上がらせていた…
「やだ…………!」
麻耶は自分の制服のジャケットを脱ぎ、それで由真の身体を覆う…
助けを呼ぼうにも、人っ子一人いなかった。
ぐったりして意識を失い、麻耶の呼びかけにも反応しない由真。
「…もう、こうなったら…やるしかないじゃない…」
由真の身体を担いで、麻耶は病院を目指して歩き出す。
悲しさと悔しさとやるせなさで、涙が溢れてきた。
「大丈夫ですか?!手を貸します!」
そんな時に声を掛けて来た少年…
横には弟も一緒だった…
「おい旬!お姉さんの荷物持ってあげるんだ!…俺はこの人おぶりますよ。」
半ベソの麻耶に向かい手をさしのべた2人の兄弟…
まだ中学生だった滝谷亮と、小学生の旬だった。
「ありがとう…助かるよ…」
麻耶は年下のこの兄弟の力を借り、由真を病院に連れて行った。
その病院まで到着すると、兄弟とは別れ、麻耶は由真の両親に連絡し、事実をすべて伝えた。
涙が止まらなかった。
病院のロビーで麻耶は一晩中泣き暮れ、そのまま疲れて眠ってしまっていた。
由真の両親の考えで、その事件は何も無かったかのように片付けられた…
由真を助けた麻耶ですら、何日か過ぎるとあれは悪い夢の出来事だったかのようにすら思えていた…
だけど…神様はそうはさせてはくれなかった…
何週間か経ったその日…由真のお腹に新たな命が宿っていることが分かったのだ…