風紀委員Girls! 341
「姉さんにもよろしく伝えといてくれな。あと、ユリナさんも…」
「ふふ、意外と真面目なんだね」
「意外ってどういうことだよ」
真里奈は立ち上がって部屋から出る。
「言っとくけど、君のカノジョは舞なんだからね?」
「ああ、そりゃわかってるさ」
「ならいーや」
真里奈も旬も笑顔になっていた。
…3つの高校を巻き込んだその騒動から、少し経過したある日…
生徒会室で会議をしていた風紀委員の面々のところに、美菜子が駆け込んできた。
「どうしたの、美菜…」
「も、桃子が、病室からいなくなったって…」
「そ、そんな…あんな元気にしていたのに!」
「あんなの空元気だったに決まっているじゃない…」
「でも頑張るって…」
「こういうことって、直後は自分がどんな目にあったのか、それほど認識できなかったりするのよ…気持ちも高ぶっているもんだしね…」
…室内に緊張が走る。
美菜子はみんなの顔をひと目見て、告げる。
「みんなで、総力を挙げて、桃子を見つけよう」
断る者などいなかった。
桃子が入院していた病室に向かったのは可憐と和葉。
許可をもらって中に入ると、桃子の隣のベッドには、舞たちが根来と雑賀から救い出したあの少女…西村皐月の姿があった。
「ごめんなさいね…桃子がいなくなったって聞いたもんだから…」
可憐は申し訳なさそうに言った。
「西村さんと同じ部屋だったんだね…私たちちっとも知らなくて…」
和葉が続いて言う…
「いえ、お会いできて嬉しいです…桃子さんにいろいろ聞いていましたから…」
皐月は気丈に微笑んで見せた。
「大丈夫だった?あんな目にあった後で…」
「はい…桃子さんにもだいぶ励ましてもらえて…」
「そうなの…」
和葉は皐月に尋ねる。
「桃子に、何か変わった様子はなかったかな…」
「先生や、看護師の人に、何か話をされていたみたいです…私には聞こえないようになっていたので、何なのかはわからないですけど」