風紀委員Girls! 339
―夏織がノブアキへ思いをぶつけた、その頃。
旬は舞たちや桜咲生徒会の一行と別れ、一人で自宅アパートに帰る途中だった…
「よう、滝谷旬」
「…んだ?」
振り向くとそこには清美の制服の少女。
「誰だお前?清美のヤツ…だけど、初めて見るな」
「一度会ったわ!忘れたとか言う気か!」
「名乗らんヤツは覚える気にならんな」
「ほう」
少女はニヤつきながら言った。
「舞という愛しのカノジョがいながら、内緒でユリ姉を食べちゃうケダモノさんがねぇ」
「なっ!?お前まさか!?」
「どーも。清美学園風紀委員、本多真里菜さ」
「ぅえっ?!…ユリさんの…?」
旬の声は裏返ってしまう。
「そう、妹よ…聞いてんでしょ?」
「あ、いや;…聞いたような…聞いて無いような…」
「ふっ…やっぱりいい加減な男ね…ここじゃなんだから、ちょっと来なさいよ…」
旬は強引に、空き家に連れ込まれた…
部屋の中に入り、カバンを置いて向かい合う真里奈と旬。
「ユリ姉って、美人でしょ」
「ああ…まあな…」
「あんな美人で才能もあるお姉ちゃんが3人いるんだ、私なんて敵いっこないんだ」
「お姉さんのこと、嫌いなのか?」
「全然。むしろ大好きだよ」
真里奈は旬を見てニヤリと微笑む。
「ユリ姉が楽しそうにあんたのことを話すもんだから、気になったってわけで…そこまでいっちゃったとは、ってさ…」
「そこまでって;…まあ;そうなんだけど;…」
旬は額に沸き上がる汗を掌で拭った。
「何今さら焦ってんのぉ?…大丈夫ぅだよ、私それほど子供じゃないんだかぁら。」
真里奈は脚を開き、膝を組みかえる。
旬は見えてしまったその中身に、顔を赤らめた。
「で、でもよ、勘違いして欲しくないことだってあるんだぞ…」
「何がさ?」
「お前、俺がユリナさんを無理やりやった風に言ったけどな、実際にはその…」
「…ああ…ごめんね、ユリ姉に食べられちゃったのね」
言い返せず、旬は黙って俯いた。
「お互い、有名人の兄姉を持つと苦労するね…」
真里奈はそう呟いた。