風紀委員Girls! 336
「ええ、何もしないよりかはよかったと思います…」
静香もそれに同調した。
「それにしても、夏織とノブアキさんがあの部屋にいたのには驚きましたよ。」
舞はノブアキの首にバンドエイドを貼りながら言う。
「い、痛いですよ舞さん…やって貰えるのは嬉しいんですが、もうちょっと優しくして下さいよ;…」
「夏織はノブアキさんをどうして…」
美菜子が尋ねる。
「まあ…あの2人と少なからず関わりがあるって聞いたし、なんとなくね」
「僕も、あの2人は名前を聞いたことがあるくらいで、そこまででは…」
ノブアキが貼られた絆創膏をさすりながら渋い顔をする。
「でもよ、ノブアキたちがいてくれて助かったぜ。俺ら入るのに手間取っちまったからな…」
旬が話しに割って入る。
「そうね、考えも無しに鉄の扉に突っ込んで行く人もいるし…」
隙さず舞が突っ込みを入れた。
「あ、あれはだなぁー、一刻も早く少女を救出したい一心でだな;…」
「でも、よく開いたね」
「やっていくうちに金属の方もダメになってくるんだな」
「最後は凛さんの一発でしたね」
笑顔の恵里奈に少し得意げな凛。
裏口から歩いて、また正門まで戻った。
「それじゃ解散ね、夏織も来るでしょ?」
「あ、私はちょっと…」
夏織はノブアキの腕を引いて走り去る。
「ありゃ、まさかの展開ですか」
佳奈がニヤリと笑った。
「夏織がノブアキさんを射止めるだなんて、桜咲の女子たちが黙っていないんじゃない?」
舞は心配気に言う。
「それは大丈夫。残念なことにお兄様の人気は急降下中なのよ。」
静香が2人の寄り添う背中を見送りながら言った。
「それって、青山家の血を受け継いではいないって…あの噂のせいで?…」
「ええ…所詮あの子たちは、そういった面でしかお兄様を見てはいなかったってことよね…」