風紀委員Girls! 331
しかし…
そこにあったのは、足を押さえて痛がる旬の姿。
「大丈夫?」
「ああ…申し訳ないな…」
「ばっかだなぁ、鉄扉で鍵もかかってたら蹴破れるわけがないんだよ」
心配そうに見つめる恵里奈、呆れ返る佳奈。
「この音に驚いて、奴らが裏口から逃げてしまったら…」
「大丈夫。まだ中にいる。女の子もヤられたまま…」
菫に対して、美菜子が耳をそばだてて言う。
…その頃、ノブアキと夏織はその裏口から侵入を試みているのを、舞たちはまだ知らない。
「表から入った方がよかったんじゃないか?…」
ノブアキも夏織も、工場内に舞や旬たちがいることはまだ知らなかった。
「中には黒獅子の連中が大勢いる筈…いくらノブアキさんが段持ちだからと言って、甘くみないほうがいいと思うのよ…」
「まあ用心に越した事は無いからな…それにしても、中から聞こえてくるこの変な声は何なんだ?…」
「ええ、私も気になっていたの…中に女の子なんて…いない筈よね?…」
「まあ、もしここに女の子を連れ込んでいるなら、することなんてたったひとつだろうね…」
「そんなことする奴ら、絶対に許せませんよ!」
裏は手付かずになっていて、雑草が生い茂っている状態。
黒獅子の人間も、裏口に見張りはつけていなかった。
「あっ…」
夏織は、雑草に隠れた錆びた鉄の塊に脚を取られた。
「気をつけろ、草に隠れて見えないけど、結構いろんな物が散乱してるみたいだ。」
そう言うなりノブアキは、夏織の身体をひょいと抱き上げた。
「あっ…ごめんなさい…」
ノブアキに抱き上げられて、夏織は胸がキュンとなる。
「(ああ…やっぱりこの気持ちだ…)」
「やはり思った通りでした。こちらからなら簡単に入ることができる」
「そうですね」
「中の声もわかるようになって…やはり尋常ならざるものでしたね…」
「早く助けないと…」